お墓の建て方

お墓はいつ建てるのか決まりはない。
お墓にはいつまでに建てて、いつまでに納骨をしなければならない。という決まりや法律はありません。遺骨はいつまでも自宅に安置しておいても問題はありません。ですが、亡くなった方が安心して休めないかもしれないという思いから、早くお墓を建ててあげたいと思う方が多いようです。
亡くなった方の為に、新しくお墓を建てる場合は一周忌を目標に準備すれば良いです。お墓を建てるには、墓地や墓石の購入、墓碑の彫刻、工事などで数か月ほどかかる場合がほとんどですので、一周忌法要の時に納骨するのが一般的です。
すでにお墓を準備してある場合は四十九日の法要の時に納骨します。
生前に建てるお墓は縁起が良い。
生きている内に建てるお墓は寿陵(じゅりょう)といい、「家内安全」「長寿」「子孫繁栄」を招く縁起の良い行いだとされています。墓石には生前戒名を彫刻し、その文字を朱色に塗ります。亡くなった時にその朱色を落とすのが一般的です。ですが、この寿陵は墓地によっては申し込めない場合がありますので、問い合わせるなどして確認する必要があります。
自分のお墓を用意しておくことのメリットは、遺族に負担がかかりませんし、自分の好きなデザインのお墓を選べるという事です。それと、お墓は祭祀財産(さいしざいさん)なので相続税の対象になりません。
お墓を建てるには。
お墓を買うということは。
お墓を新しく建てるには、「永代使用権」を取得する必要があります。お墓を建てることが出来る場所は法律できまっており、勝手に好きな場所に建てることはできません。
墓地用の土地を購入して、そこに建てるというイメージですが、実際はその土地の所有権を買う事はできません。その土地を永代使用する権利を得るだけです。よくある「家を買った」とは違っていますね。ですので、その墓地用の土地の永代使用権を取得しても、他人に売ったり貸したりはできません。代々受け継いていくだけです。この永代使用権は、土地の所有者との契約で取得することが可能となりますが、この契約内容は法律で決まっている物ではありませんので、契約時はじっくり契約書を確認する必要があります。
5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。
昭和二十三年法律第四十八号
墓地、埋葬等に関する法律
まずは墓地を探す。
お墓を建てるにはまず、墓地を探すところから始まります。どのような場所に建てるのかは本人の意見、家族の考えがさまざまですので、じっくり話し合って決めるべきです。
墓地の種類には「公営墓地」「寺院墓地」「民営墓地」があります。それぞれ利用規定が異なってきますので、どんな違いがあるのか比較してみて下さい。
郊外の広々した静かな墓地、近場でお参りしやすい墓地など。テレビCMや広告、インターネットなどでも情報収集してみましょう。この時、宗派などの取り決めも確認するのが良いです。

墓石にこだわりがあったり、信頼できる業者を見つけたい時は先に石材店を探すというのも手です。先に墓地を決めてしまうと、合わない石材店から変更できなくなる事もあるかもしれません。石材店なら墓地の情報にも詳しいので、そこから良い墓地が見つかる可能性もあります。
公営墓地
都道府県、市町村などの自治体が運営管理する墓地です。民営に比べて永代使用権や管理料が安いが、人気が高い為、募集があっても倍率がとても高くなる傾向にあります。公営墓地の情報は自治体の広報などで得る事ができます。
| 管理・運営 | 都道府県や市町村の自治体 |
| 申し込み資格 | その自治体に住んでいるという条件がある事が多い。 |
| 申し込み方法 | 年に一回など募集時期が決まっているので広報などでチェックする。 |
| 管理料 | 割安 |
| メリット | ●宗派に決まりが無い。仏教・神道・キリスト教・無宗教など問われない。 ●自治体が管理しているので永続性があり安心できる。 ●お墓を建てる時の業者を自由に選べる。 ●永代使用権や管理料が安い。 |
| デメリット | ●人気があるので競争率が高く、入手する事が困難な場合がある。 ●募集時期が決まっているので希望する時に申し込めない。 ●墓石の大きさに規定がある場合がある。 |
寺院墓地
寺院墓地とは宗教法人が管理運営している墓地です。一般的にはお寺の境内にある墓地で、そのお寺の檀家にならないといけない場合と、宗派は問わない場合があります。お寺の境内でなくても、郊外などに新しく造設された寺院墓地もあります。
| 管理・運営 | 寺院など宗教法人 |
| 申し込み資格 | 寺院の檀家である事が条件の場合がある。 |
| 申し込み方法 | 自由に申し込みできる。 |
| 管理料 | 公営墓地より割高。伝統や格式によって様々。檀家になると寄付やお布施も必要になる。 |
| メリット | ●日常的に僧侶の回向が受けられ、管理も行き届いている。 ●法要時はお寺と墓地が近いので便利。 |
| デメリット | ●宗派に決まりがある場合が多い。 ●檀家になると行事の参加や寄付、お布施などの負担が増える。 ●お墓を建てる時の業者を自由に選べない場合が多い。 ●空きが少なく、取得が困難。 |
民営墓地
民営墓地とは公益法人や宗教法人が管理運営している墓地です。広々とした公園の様な墓地など、手入れや施設が整っていて充実している墓地が多いが、その分永代使用権は高くなります。
| 管理・運営 | 財団法人・社団法人などの公益法人や宗教法人 |
| 申し込み資格 | いつでも申し込みできる。 |
| 申し込み方法 | 誰でも申し込みできる。 |
| 管理料 | 公営墓地より割高。都市部と郊外などの違いでも大きく変わる。 |
| メリット | ●区画の大きさが色々選べる ●宗旨・宗派、無宗教など制限が無い。 ●取得しやすい。 ●駐車場や、バリアフリー、施設の管理、設備が整っている。 ●送迎バスなどが使える。 |
| デメリット | ●永代使用権や管理料が割高。 ●お墓を建てる時の業者に指定がある場合が多い。 ●永続性に不安がある。 |
墓地を選ぶ時の手順
1⃣ 広報、情報誌、TVCM、広告、インターネットなどで情報を収集し、資料を集める。
2⃣ 集めた情報や資料で、予算、立地などを比較検討する。
3⃣ 候補の現地を実際に見に行って、交通の便や施設、評判などを確認する。
4⃣ 最終候補の宗旨・宗派、その他の規定を確認する。
5⃣ 契約を交わす。
墓地の価格は墓地の広さは、だいたいは「間口×奥行」で表示されています。奥行きが間口の1~1.5倍という大きさが一般的です。公営墓地の多くは4㎡ほどで、民営墓地は1~3㎡ほどが多い。民営墓地が安いと感じたら土地が狭いのかもしれません。実際に見に行くことが大切です。
立地や交通の便と、墓地の区画の大きさなども加味して安い高いを判断する事が大事です。
どれくらいの費用が必要か。
お墓を建てるには色々な費用がかかります。色々な条件を当てはめて、家族が納得する墓地を選ぶことが大切です。
- 墓地の永代使用権
- 墓地の管理費用
- 墓地の工事費
- 墓石購入、加工費
- 付属品購入、設置費
- 納骨、法要費やお布施代 などなど・・・。
民営より公営の方が永代使用権は安い傾向ですが、より都会の方が高いのが一般的です。郊外の大きな墓地を選んでも、その分工事費が高くなったりもします。
管理費用は、マンションの管理費と同じくずっと払い続ける必要があります。これは設備の維持や水道料金などに充てられます。払い続ける必要があるので、無理のない金額の墓地を探すべきです。
誰のお墓なのか。
お墓は誰が入るかによってお墓のタイプが違ってきます。
| お墓の種類 | 誰が入るか | どんな人 |
|---|---|---|
| 家墓 | 一般的なお墓。家族が先祖代々受け継ぐ。 | |
| 夫婦墓 | 夫婦二人だけが入るお墓。 | 子供のいない夫婦など。 |
| 個人墓 | 特定の一人だけ入るお墓。 | 生涯独身で過ごした人、結婚先の墓に入りたくない人 |
| 両家墓 | 夫婦それぞれの家族が先祖代々が受け継ぐ。 | 一人っ子同士で結婚し、それぞれの墓を一人で管理するのは負担が大きい。 |
| 共同墓 | 親しい者同士など、他人同士が入るお墓。 |
一般的なお墓の墓石には家名を刻みますが、最近では名字を刻まず、好きな言葉を刻むケースが増えてきています。「絆」や「愛」などがあり、継承する家族の名字が変わっても刻み直す必要がありません。
お墓を建てる石材店の選び方

建てたら終わりでない石材店
本人や家族が納得してお墓を建てるには、石材店の雰囲気や人柄などは大切なポイントです。その土地で地道に営業されていて、豊富な知識からの良いアドバイスなどがあるかどうか。実際にお店に行ってみて確認すると良いです。
何件か実際に行ってみると、しっくりくる石材店が見つかるかもしれません。お墓のメンテナンスもありますし、長くお付き合いできそうな石材店を見つける事が大事ですね。
石材店を選ぶ時のチェックポイント
| □ その土地で長く営業している。 | その地域で長年営業しているという事はその地域の情報にも詳しい。 |
| □ お墓についての知識が豊富。 | 専門的な知識があると安心して相談できる。 |
| □ 細かい希望なども理解してくれる。 | 依頼主が納得できるように丁寧に対処してくれることで信頼関係が生まれる。 |
| □ 石材やデザインが豊富にある。 | 多くの選択肢から納得して選ぶことができる。 |
| □ その石材店が手掛けたお墓がみられる。 | 実物がみられるのは自信があるからこそ。 |
| □ 見積書が明確で分かりやすい。 | 費用の明細や説明が分かりにくいのは不信感が生まれる。きちんとした金額、支払い時期・方法など明確にできないのはおかしい。 |
| □ 契約書がきちんと作成され、交わすことが出来る。 | きちんとした契約書を交わすのはとても大切な事です。 |
| □ 建てた後もアフターフォロープランが用意されている。 | 建てた後もメンテナンスや相談ができるのは大切な要素です。 |
信頼できる石材店が見つかったら金額・工事期間や支払い時期、補償内容など確認し契約しましょう。
永代供養墓とは
永代供養墓とは、子供のいない夫婦や、生涯を独身で過ごした人、家族にお墓の管理をさせる負担をかけたくないと考える人が、墓地の管理者に永代(または一定期間)、遺骨を供養して管理してもらうというものです。ですので、お墓を代々継承していく人がいなくても契約できますし、生前に自分で準備しておく人が多いのが特徴です。
一般のお墓と同じで「公営墓地」「寺院墓地」「民営墓地」があり、それぞれ利用規定がありますので確認してみて下さい。永代にわたって管理してもらうので、経営状況などがしっかりした墓地を選ぶことが大切です。
永代供養墓の種類
| 遺骨の安置方法で選ぶ | |
|---|---|
| 個別安置型 | 個別に骨壺のまま安置する。 |
| 集合型 | 他人と共同で骨壺を安置する。 |
| 合祀(ごうし)型 | 共同墓に骨壺をあけて合祀する。 |
| 墓標の建て方で選ぶ | |
|---|---|
| 単独墓 | 一般的なお墓と同じで単独のお墓に納骨する。 |
| 納骨堂 | 建物の中にある棚やロッカー式の収蔵場所に、個々に遺骨を収蔵する。 他に仏壇タイプやお墓タイプなどがあります。一定期間で他の遺骨と合祀される。 |
| 納骨塔 | モニュメントの様な記念碑や塔の地下に遺骨を安置する共同墓。骨壺で安置したり、 骨壺からあけて合祀したり様々。いずれにしても一定期間で合祀されるのが一般的。 |
| 樹木葬 | 人気が高まっているタイプ。個別に木を植えるタイプや、シンボルツリーの周りに 遺骨を埋めるタイプなど様々。骨壺のままや骨壺をあけるなどある。 |
人気が高まる樹木葬とは
最近人気が高くなってきている埋葬方法の「樹木葬」とは、永代供養墓の一つです。墓石の代わりに樹木を墓標として遺骨を土の中に埋葬します。散骨とは違うので、法律で許可されている墓地でしか行うことはできません。
岩手県のある寺院で始められたのですが、人は亡くなって自然に還るという考えから遺骨を埋めた上に樹木や花を植えたのです。その考えが人々の共感を得て、徐々に樹木葬というスタイルが広がってきました。今では樹木の他に、芝生や、四季の花が咲く花壇スタイルなどもあります。
子供がいない夫婦などが多いようですが、家族で入れる樹木墓もあり、一本のシンボルツリーの元に共同で遺骨が埋葬される樹林葬もあります。
散骨とは。

遺骨をお墓に埋葬せず、遺灰にして海や山などにまくことです。散骨を希望する人の理由は色々で、最後は自然に還りたいという考え方や、お墓を管理する人がいなかったりなどです。散骨についての届け出などは特に必要ありません。ですが家族だけで準備するのも大変ですので、散骨のプランがある民間の業者などを利用するのも手です。海への散骨なら船のチャーターなど手配してくれます。
この散骨については法律の記載がありませんが、今のところは葬送という行事を行うという事であり、周りの人々への配慮や節度のある行動がある為、違法ではないという配慮があるようです。それでも自治体によっては散骨を禁止しているところもありますので確認する事が必要です。
勝手に他人の山などに行うことはできません。必ず持ち主に了解を得る必要があります。散骨を行うには、遺灰以外の容器や花、その他の自然環境に配慮の無い物を置き去りにするのは絶対にしてはいけません。
改葬と墓じまい
改葬とは。
一言でいうとお墓の引っ越しです。改葬を考える人は近年増加しています。実家近くにお墓はあるが、遠方の為管理が難しくなったり、子供に負担がかからない様にしたい等、理由は色々です。改葬を代行してくれる業者もあります。
単に引っ越しと言っても、特定の人の遺骨だけを引っ越しさせたりすることもできますので、そういった場合は元のお墓はそのまま残る事になります。
改葬には届け出が必要ですので、役所に申請して手続きします。
改葬に必要な書類
- 現在のお墓に遺骨が埋葬されているという証明書。「埋葬証明書」「収蔵証明書」など。
- お墓の引っ越し先の墓地がある事の証明書。「受け入れ証明書」や「使用許可証」など。
- 改葬許可申請書
- 戸籍(除籍)謄本が必要な所もあります。
- 本人確認書類や印鑑など。
墓じまいとは。
お墓からすべての遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地に戻します。墓地の管理者へ権利を返納する事もあります。遺骨は他へ移しますので、供養自体をやめてしまうという事ではありません。
















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